粉瘤とは
粉瘤(ふんりゅう:または表皮嚢腫、アテローマ)は、皮膚内に皮膚と同じ構造の袋が形成される症状です。これは悪性ではないものの、自然に消失することはなく、時間とともにサイズが増していき、場合によっては細菌感染を引き起こす可能性があります。
この袋は皮膚内に形成され、徐々に垢が蓄積します。垢が溜まるにつれて袋は大きくなり、触るとしこりのように感じられます。
粉瘤は体のどの部分にも現れる可能性がありますが、特に頭部、顔、背中、お尻によく見られます。また、細菌に感染すると「炎症性粉瘤」という、赤みや腫れ、痛みを生じた粉瘤ができます。この状態になると急激に膿が溜まり、元の2~3倍の大きさに腫れ上がることがあります。
粉瘤の原因
多くの場合、発症原因がはっきりとされていません。打撲や外傷の跡、ニキビ痕が原因で生じることもありますし、足裏にできたウイルス性のイボが変化して粉瘤になるケースもあります。
特に、ヒトパピローマウイルスが関与することもあるのですが、発症原因が特定できるケースはあまりありません。また、角質や皮脂の蓄積によって生じると考えられているゆえに、「不潔にしていることで発症するのでは」と思われがちですが、清潔を保っていても体質的に発生しやすい方もいます。
適切な治療を受けても再発する場合は、その方の先天的な体質が大きく影響していると考えられます。
できやすい人の特徴は?
粉瘤は、特に男性に多く見られるとされています。体質的に粉瘤ができやすい方もいることが知られていますが、その発生原因はほとんどの場合が不明です。
このように、多くの謎に包まれている粉瘤ですが、どういった方にできやすいのかについても、あまりはっきりと解明されていません。
予防法はある?
粉瘤の具体的な発生原因は明らかではなく、「これをすれば粉瘤を防げる」という確実な方法も存在しません。それでも、肌を清潔に保ち、刺激を避けることで肌の健康を維持することは重要です。
粉瘤ができやすい体質の方や、再発を経験されている方にとっても、完璧な予防策はないものの、日々のスキンケアによって肌トラブルを減らすように意識してみると良いでしょう。
粉瘤の治療法
皮膚下の袋を除去しなければ粉瘤は完治しません。自己処理で潰すと、細菌感染から腫れて痛みが発生したり、刺激によって皮脂分泌が増加したりして粉瘤が大きくなる恐れがあります。自己治療は避け、速やかに皮膚科を受診することが重要です。
炎症性粉瘤が感染した場合は、膿を排出するために切開し、炎症が治まった後に袋を摘出する手術が必要です。