TOPへ

白斑

皮膚の一部が白く変色してしまう「白斑」

白斑白斑は、肌の一部が白く変色する現象です。これは、表皮の基底層や毛母にあるメラノサイトという細胞が損傷し、メラニン色素の生成が停止することによって起こります。白斑は手の平や足の裏を除く全身に現れる可能性があり、時間が経つにつれて広がることもあります。
中でも「尋常性白斑」は、白斑を引き起こす病気の中で最もよく見られるものです。800人に1人の割合で発症しますが、特に珍しいものではありません。また、白斑は感染するタイプの病気ではないため、他の方にうつる心配はありません。

白斑が大きくなる速度

尋常性白斑は、白斑の中でも進行性のもので、徐々に拡大する傾向があります。その進行速度は個々の症例によって異なり、通常はゆっくりと広がります。また、稀に急激に大きくなる場合もあります。自然治癒やセルフケアだけでは改善が見込めないため、発見次第、専門医の診断を受けることをお勧めします。

白斑のタイプ・原因

白斑には、尋常性白斑、老人性白斑、脱色素性母斑という3つのタイプがあります。

尋常性白斑

尋常性白斑は、最も一般的な白斑の一種です。免疫系の異常によりメラノサイトが破壊され、メラニン生成が停止することで生じます。発症すると白斑は徐々に広がる傾向にありますが、他の症状は伴いません。

老人性白斑

日光に晒されることが多い部位にあるメラノサイトの機能が年齢とともに衰え、小さな白斑が現れるタイプです。これらは目立たないことが多く、気付かれにくいのが特徴です。

脱色素性母斑

生まれつき、または生後間もなくに現れる白斑です。サイズが大きくなることはありませんが、成長に伴い大きく見えることがあります。また、新しい白斑が発生することはありません。

白斑を放っておくとどうなるのか

白斑は生命を脅かす病気ではないものの、外見に影響を及ぼすため、見た目へのコンプレックスに悩む方も多くいます。特に尋常性白斑は、時間が経つにつれて範囲が広がったり白斑の数が増えたりする傾向があり、治療を怠るとリスクが高まるとされています。

白斑の改善方法

免疫系がメラノサイトを誤って攻撃することによって引き起こされます。そのため、治療はこの免疫反応を制御することに焦点を当てています。完治はすぐには望めませんが、長期にわたる治療により、状態の改善を見込むことができます。

外用薬(塗り薬)

外用のステロイド薬や免疫抑制剤を用いて、免疫系によるメラノサイトへの攻撃を緩和します。しかし、塗り薬のみで治すのは難しいため、通常は後述する光線療法と組み合わせて治療が行われます。

光線療法

「セラビーム」という紫外線治療器を使用し、特定波長の光を肌に当てることで、炎症を効率的に抑えます。外用薬だけでは改善が難しい場合でも、この光線療法を受けて改善に期待できる可能性はあります。治療は無痛で、副作用の心配もほとんどありません。
光線療法は白斑だけでなく、乾癬やアトピー性皮膚炎、円形脱毛症、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)など、多様な皮膚疾患に対しても有効です。これらの治療は保険診療として受けることが可能です。
ただし、治療中に健康な皮膚が日焼けし、未変化の白斑との差が一時的に強調されることがありますので、ご理解いただければと思います。